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  • 3月のお薦めワイン

    ◇ シェーファー ◇
    シェーファーは1972年にジョン・シェーファーが23年間の教科書作成会社のキャリアを捨てて、
    ナパはスタッグス・リープ地区にやってきたことからスタートします。
    1978年にわずか1000ケースのカベルネでデビュー。
    これが後に【パーカー100点】を獲得するカリフォルニア最高峰のカルト・カベルネ『ヒルサイド・セレクト』の元になったワインです。
    1983年には息子のダグ・シェーファーがカリフォルニア大学デイヴィス校で醸造、葡萄栽培学の勉強を終えて参加、
    そして90年にワインメーカーにイライアス・ファーナンデスが加わり、現在の地位を揺るぎないものとしています。
    ナパ・ヴァレーのスタッグスリープ区域、いわゆる聖地と呼ばれるこの地に君臨し、
    パーカー氏が「この地方の否定しようもないスターである。」と述べ、
    ヒルサイド・セレクトにてカベルネ★★★★★生産者、
    さらにシラー★★★★★生産者、
    メルロー★★★★生産者にも認定。
    アメリカ・ワイン・アワード2002では【Winemaker of the Year】にも選ばれ、もはやカルトの域すら逸しているようなブランドです。
    例えセールでなくとも、ヒルサイド・セレクトは他100点銘柄よりも価格が抑え目であることから、
    年産≪2200ケース≫とそれほど小規模ではないにもかかわらず、
    日本には毎年たった数10箱しかやってきません。
    そのため次のビンテージが到着する前に消えてしまい、実際市場にバックビンテージは殆ど残っていません。
    ナパ・カベの聖地と呼ばれるスタッグス・リープ・ディストリクトの黄金の果実…全て自社畑からの徹底管理の下で育まれた最高の葡萄。
    それをさらに選別し、最上の土地の、最上の造り手の、最上の葡萄のさらにエリートだけがこのカベルネになることを許されます。
    日本輸入は全量で数10箱です。

    シェーファー・メルロー 2009年
    ■パーカーポイント90点
    ■シェーファーはメルローでもまた卓越した腕を誇り、ワイン&スピリッツ誌からは「One of Napa’s best Merlot producers.」とコメントされています。
    ◆巨大で、スモーク・ブラックカラント・プラム・さくらんぼの甘いノーズを伴うインキーなパープル色のフルスロットル・メルロー。筋肉質でパワフルである。(ロバート・パーカー)
    ◆タンニンは甘いオークのトーストとバランスの取れた、ほろにがいアーモンドの風味。中核にはこれぞワインというフレーバーがあり、ステーキにもよく合うだろう。(ワイン&スピリッツ誌)

    ◆ レ・マッキオーレ ◆
    今や『サッシカイヤ』、『オルネライア』など、イタリアを代表するスーパー・プレミアム・ワインの産地として知られる銘譲地・ボルゲリに位置する「レ・マッキオーレ」。
    貴族がそのほとんどのワイナリーを所有する中にあって唯一、地元の農家出身者、故エウジェニオ・カンポルミ氏が1983年に設立。
    「メッソリオ」、「スクリオ」という世界レベルのワインを生み出した。
    そして、ボルゲリの気候と大地、そして自身の可能性を信じて造り出した「パレオ・ロッソ」の最終形は、カベルネ・フラン100%。
    それが完成した2001年が、エウジェニオ氏の夢がかなった最初で最後のヴィンテージとなった。

    生前、「ビジネス目的でワインを造っているのではない」と公言したエウジェニオ氏。
    世界的な名声を獲得してからも、とにかく自身で納得のいく品質・味わいのワイン造りにこだわり、
    純粋に、「より多くの人に自分たちのワインを楽しんでもらいたい」と願っていた。エウジェニオの哲学は畑にあり、自然にあり、そして人にあった。

    2002年に巨匠エウジェニオ氏の急逝後は、最大の理解者であった妻のチンツィア女史が見事に引き継ぎ、いまも世界中のワイン愛好家の愛され続けています。
    「私は今でもエウジェニオと一緒です。私の考えは彼の考えだと強く感じます。これは彼が亡くなる前からもずっとそうでした。そしてこれからも...」。

    私がお客様に「何故サッシカイアやオルネッライアではなく、マッキオーレのワインを買うべきか?」と質問されたら、こう答えます。
    サッシカイアはボルゲリのスター。ボルゲリが生まれたのは、サッシカイアのお陰です。スーパータスカンが生まれたのもサッシカイアのお陰。
    オルネッライアは素晴らしいワイナリーで、ボルゲリでも規模がとても大きく、卓越したブレンドワインを造り、世界にボルゲリの偉大さを伝えています。
    それに対してマッキオーレは職人ワイナリー。
    職人と同じく、数量は造れませんが、その道を追求し、最高のワインを造るために、小さなことからこつこつと磨き上げ、ボルゲリの偉大さを一番信じて、最高のものを目指したワイン造りを行っているからです。

    パレオ・ロッソ 2000年
    品種;カベルネ・ソーヴィニヨン70%、カベルネ・フラン30%
    新樽100%(内ハーフパイプ30%)で18ヶ月、その後瓶熟成20ヶ月
    年間生産量 : 37,000 本
    パレオ・ロッソは、2001年より故エウジニオ氏念願のカベルネ・フラン種100%のワインに生まれ変わります。
    この2000年ヴィンテージが、歴史に残る最後のブレンドワインとなります。
    古典的なボルドーブレンドの2000年は、カシス、ブラックベリー、ブルーベリージャム、ヒノキの香りにコショウのアクセント。
    ミントの清涼感のあるアロマ。滑らかさが際立ち、シルキーなタンニン。カベルネ・フランからくる熟した果実とハーブ、エスニック系の香料感が複雑に絡みます。
    パレオ・ロッソ の初ヴィンテージは1989年で、当時はサンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨンとの混醸でした。
    当時カベルネ・ソーヴィニヨンはボルゲリの代表的な品種でしたが、酸が足りないので、サンジョヴェーゼなどを足していました。
    ボルゲリのカベルネ・ソーヴィニヨンは酸が欠ける傾向にあるので、ボルゲリの他の生産者でもカベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインは造っていません。
    年を重ねるごとにカベルネ・フランの酸と果実味がよいことに気付きました。そして徐々に増やしていくようにしたのです。
    1999年からサンジョヴェーゼをやめ、カベルネ・フランを15%加えるようにしました。
    2000年は猛暑だったので、カベルネ・フランを30%も加えました。出来たワインは暑い年だったにも関わらず、酸が生き生きとしたものが出来たのです。
    この2000年のパレオ・ロッソを受け、2001年をカベルネ・フラン100%にしようと決意したのです。
    当時はパレオ・ロッソが有名になっていたので、それをCF100%にするという大変革はとても勇気が要り、少し怖さもありました。
    しかし出来たワインは、皆さんがご存知でしょう、大変素晴らしいものになったのです。(チンツィア女史)
    ワインアドヴォケート91ポイント

    ◆ ジム・クレンデンネン ◆

    ロマネ・コンティを目指したカレラと並んで、カリフォルニアのピノ人気を二分する『オー・ボン・クリマ』。 「Au Bon Climat」の頭文字をとって、ABCと呼ばれています。
    オーナーはジム・クレンデネン。その特異な風貌から怪人とよばれたりもしますが、つくリあげるワインは 素晴らしい!
    ブルゴーニュのワイン造りに多大な影響を受け、土地のテロワールを表現しようと、冷涼な気候でピノやシャルドネの栽培に向いているサンタ・バーバラに1982年ABCを設立。
    今ではオレゴンからサンタ・バーバラにいたる広範囲の葡萄産地から素晴らしいピノを産出しています
    ブルゴーニュの神様「アンリ・ジャイエ」を師と仰ぎ、ジャイエのもとで経験を積んだジム・クレンデネン氏。
    そこでのワイン造りに多大な影響を受け、土地のテロワールを表現しようと、冷涼な気候でピノやシャルドネの栽培に向いているサンタ・バーバラに1982年ABCを設立。
    今では、オレゴンからサンタ・バーバラにいたる広範囲のブドウ産地から素晴らしいピノを産出しています。
    1989年と1990年に、たて続けにロバート・パーカー氏から「ベスト・ワイナリー・オブ・ザ・ワールド」に選出されました。
    1992年には、ロサンゼルス・タイムスの「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれています。
    彼の造るワインはその名前の由来もストーリーがあって面白い。
    愛嬢の名を冠したABC最上の超レアワイン、イザベルや、愛息の名前から名付けたノックス、 ニュイ・ブランシュは「眠れぬ夜」と言う意味。
    トレンドを追及する評論家達とのジレンマに悩み続けたゆえのネーミングだそうです。 どれも200から300ケース程しかリリースされないため、プレミアムワインといえるもの。希少です。
    毎年ブルゴーニュ詣では欠かさないという容貌魁偉なオーナー、ジム・クレンデネンは50歳となったにもかかわらずかなりな長髪で、
    またその巨体に常にまとっているアロハ・シャツ姿は、プロレスラーかロック・ミュージシャンそのもの。
    ジムは、そんな奇妙な風体と三角ラベルのワインで、奇人、変人扱いされることも多々ありますが、そのポリシーは至極まっとうなもの。
    彼にとって素晴しいワインとは、その土地毎のテロワールが表現され、様々な要素がバランスよくまとまっている、というものです。
    1970年代前半、サンタ・バーバラのザカ・メサ・ワイナリーには、現在のバイロンのケン・ブラウン、オーハイのアダム・トルマック、そしてキュペのボブ・リンクエスト、とそうそうたるメンバーがワインづくりに携わっていました。
    ザカ・メサ・ワイナリーでワイン・メーカーとしてのスタートを切ったジムは、その後フランスのボルドーやブルゴーニュを巡り、なかでもブルゴーニュに大きく影響を受けてカリフォルニアに戻り、
    1982年には自らのワインづくりを始めました。選んだ場所は、古巣でもあり、また冷涼な気候でピノ・ノワールやシャルドネに向くとされるカリフォルニア南部のサンタ・バーバラでした。
    そこでボルドー系品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ等には目もくれず、ひたすらピノ・ノワールとシャルドネを中心にピノ・ブランやヴィオニエ等のマイナーなぶどう品種もありますがワインづくりに励んできました。
    ジムはピノ・ノワールとシャルドネの故郷、ブルゴーニュにこだわります。アルコール度数も13~13・5度をベストとし、酸を何より大事にします。
    そしてこのようなワインを人為的につくりだすのではなく、畑で収穫する際のぶどうの各成分のバランスが整う状態を見計らうのです。
    そのジムが惚れたぶどうが育つ畑がビエン・ナシド・ヴィンヤードで、およそ150年前に拓かれ、現在では300ヘクタール以上に主としてピノ・ノワールとシャルドネが植えられています。
    醸造過程においても余計な手は加えず開放のタンクで、基本的に補糖や補酸それに培養酵母は使わず、野生酵母で発酵させる、という手法をとります。
    まさに素晴しいワインは畑でつくられる、を実践しているのです。
    できあがるワインはエレガントな風味を湛えたのもので、他のカリフォルニア産の多くにみられるやたらボディとアルコール度数、それに新樽が強調されたワインとは大きく異なるものです。
    といいますか、明らかにジムの風貌とは似ても似つかぬワインがうまれます。
    20年間、ぶどう畑は持たずにワインづくりを行ってきたジムですが、古巣サンタ・バーバラに18ヘクタールほどの畑を手に入れ、2001年ヴィンテージからリリースされました。

    オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール イザベル 2006
    愛嬢の名を冠したABC最上の超レアワイン、イザベル
    数ヵ所からのピノ・ノワールをブレンドしているためAVAは単にカリフォルニアとなっています。ブルゴーニュ地方はコート・ドール産のグラン・クリュを思わせます。
    ブラックベリーをベースに、燻製のジビエや枯れ葉、紅茶の香り、さらにはミネラルも顕著。
    ほのかに甘く柔らかく、艶やかな酸味が生き生きしています。
    いつまでもノーズに残る優美な果実香に、ついグラスを重ねてしまう…。
    凝縮感があるスケールの大きな完熟ピノ。
    娘さんの名を冠したキュヴェだけあり、美しさと可愛さを合わせ持っています。
    アンリ・ジャイエを師と仰ぐ彼がベスト・ヴィンヤードからのベスト・バレルを使用した渾身の作品。
    (畑は主にBien Nacido, Sanford & Benedict, Talley Rincon, Mt. Carmel)
    重厚なヘヴィボトルに入ったABCピノの代表銘柄。
    毎年の生産量は僅か200~500ケース。