ゴードン&マックファイルズ社のダイヤモンド・ジュビリー
今年はロンドンオリンピックが開催されましたが、
その直前に、エリザベス女王の戴冠60周年を祝う盛大なセレモニーも開催されました。
スコットランドの各蒸留所もそれを記念していくつものダイヤモンドジュビリー記念ボトルが発売されました。
中でも、ボトラーズ最王手のゴードン&マックファイルズ社のものは戴冠式の行われた1952年に蒸留されたグレン・グラントを60年目の今年に瓶詰め。限定85本のみの超貴重品。
蒸留されたのは2月2日、瓶詰めされたのも2月2日。完全な60年物です(笑)。
蒸留年月日 : 1952年2月2日
瓶詰年月日 : 2012年2月2日
カスクタイプ : ファーストフィル・シェリー・ホグスヘッド
カスクナンバー : No.465
60年もの間ゆっくりと時間をかけて熟成したこのシングルモルトは、バランスに優れ、かつ複雑な味わいのウイスキーへと成長した。初めはコックスピピン(甘いデザート用りんご)やグラニースミス(青りんごの一種)を感じさせる新鮮なフルーツ香に、シナモンや根しょうがといったスパイス香が織り合わさり、その奥にはラベンダーやバラの花びらが微かに感じられ、そのまわりを甘いトフィーがふんわりと包み込む。
口にすると、その深い味わいに、このウイスキーが長い熟成を経てきた事実を実感することだろう。
最初はヒマラヤスギや刈ったばかりの草の青さを感じるが、すぐに焦がしたフルーツのふくよかな味わいへと変化し、その先にドライなスパイスや白コショウを感じる。スモークがそのフレーバーの間を縫うように進み、ほんのりと苦味をともなった、甘いトフィーのフィニッシュへと続く。
★付随する証明書に商品説明、テイスティングノート、カスクナンバー、蒸留・瓶詰年月日を記載。シリアルナンバー、GM社社長マイケル・ウルクハート氏のサイン入り。なおこの証明書は、時間が経っても朽ちないよう凸版(浮き出し)で印刷。
★クリスタル・デキャンタ入り。ストッパーはダイヤモンド型。彫刻部分はシルバーで色付け。デキャンタに彫刻された王冠の中央にはスワロフスキーを使用して輝きを加えている。
★ネック部分には純銀の装飾。輸送中は純銀のストッパーで密閉される。
★エリザベス女王の公邸である、ホーリールードハウス宮殿近郊で伐採されたスコティッシュ・エルム(ニレノキ)製の手作り木箱入り。
★デキャンタのカバーには、スコットランドで200年以上続くハリスツイード社の生地を使用。同じ素材の埃避けカバーで全体を保護している。
今月のお薦めワイン
グレンマレイ
グレン・マレイはクセのないすっきりとした麦芽の甘みと、ほんのりと甘酸っぱい果実香が心地いいスペイサイドモルトです。
軽やかなボディと、新鮮なブドウや白ワインを思わせる酸味があり、アペリティフにはぴったりのシングルモルトに仕上がっています。風味が偏っていないのでハイボールにも合いますし、ドランブイと混ぜれば美味しいラスティネールができあがります。
また長熟のヴィンテージものには、バニラクリームやミルクキャラメル、オレンジケーキのようなアロマを放つものが多く、食後酒としても楽しめます。
蒸留所があるのはエルギン市の西側。エルギン地区の蒸留所の中ではもっとも市の中心地に近く、車ならわずか3~4分の距離です。創業は1897年。ポットスティルは初留2基、再留2基の計4基で、仕込み水はロッシー川から引いています。蒸留所を訪れてまず目につくのが、18基もある巨大なモルトビン(麦芽貯蔵タンク)。かつてはサラディン式の製麦施設が蒸留所内にあり、大量の麦芽を必要としていたために設置されましたが、70年代後半に製麦部門は廃止されています。
グレン・マレイは華やかで繊細な風味がハウススタイルですが、かつてはパッケージに勇ましいハイランド連隊の軍服を着た兵士のイラストが印刷されていました。ですが近年は、その“フェミニン”なハウススタイルを生かすイメージ戦略に方向転換しつつあるようです。それについてウイスキーライターだった故マイケル・ジャクソン氏は、「キルトの代わりにスカートを着用するようになった」と、彼らしいユーモアのある表現でコメントしています。なお現在でも16年物のパッケージ缶だけには、誇らしげな軍服姿のハイランダーが描かれています。
この蒸留所は、かつてはマクドナルド&ミュア社(後のグレンモーレンジ社)によって運営されグレンモーレンジとは姉妹蒸留所でしたが、2008年に仏ラ・マルティニークィーズ社によって買収されました。またグレン・マレイはブレンデッドウイスキーのハイランドクイーンのメイン原酒ですが、このブランドも一緒に同社に移っています。グレンモーレンジ(Glenmorangie)とグレン・マレイ(Glen Moray)、この2蒸留所は名前がよく似ていますが、意図されたものではなくただの偶然なのだそうです。偶然といえばどちらの蒸留所も、以前はビール工場だったという共通点もあったりして面白いですね。
Glen Moray 30 years old Single Malt Whisky (43% abv)
Tasting Notes
Probably the most elegant and sophisticated example of Glen Moray ever bottled, this specially selected 30 years old has an amazing finesse, magnificent balance and lingering softness.
Colour
Bright gold
Nose
Exceptional elegance and softness on the nose, this is a truly exquisite example of finesse and refinement of malt flavours over time.
At full strength, the delicate aroma reveals a complex mix of scented and sweet aromatics: ethereal and floral scents in a pot-pourri mix (with geraniums, violets and roses) balanced by the softness of vanilla with hints of bergamot and wild mint. In the background are the hallmark Glen Moray scents with flowering currants and spices (ginger, cloves and ground nutmeg).
With water, the subtleties of this classic malt are revealed – the sweetness of golden syrup and lemon curd beneath which is discovered an ‘antique’ elegance reminiscent of chestnut cabinets treated with linseed oil and a hint of soft leather saddles. This ‘antique’ aroma is a reminder that this is a very fine malt whisky that has taken on unique characteristics over its 30 years in oak casks.
Taste
A highly sophisticated flavour that is remarkably soft, sweet and smooth for its 30 years, this is quality aged whisky at its very best.
On first sip, the sensuous oiliness gently caresses the palate as the flavours glide from front to back bringing elegant aromatics (lavendar, heather, vanilla, eucalyptus and hints of tea tree oil). This sensuous oiliness progresses to a melting softness, revealing a luscious sweet middle, reminiscent of lemon sponge and cream with a good dose of vanilla. Oak makes its presence known but never dominates, revealed as gentle nut oils and spices. Long and elegant to the end, the finish has an amazing finesse with gentle nut oils, hints of dates and figs and the softness of vanilla cream.
2009年物のDRC
本日、2009年物のDRCフル・セットが入荷致しました。
極上のヴィンテージなので、手に入れるのも一苦労でした(笑)。
さて、2009年物のブルゴーニュの評価は・・・
ワイン専門誌のヴィンテージ評価でも傑出し、生産者からも、
「偉大なポテンシャルを持つブドウを収穫出来た」
「フレッシュで果実味がしっかりとしており、リッチでストロング!」
「神に祝福されたヴィンテージ」
と絶賛の声が聞こえてきた、ここ数年の中では、屈指のグレートヴィンテージ2009年。
実は造り手の間では、ブルゴーニュの『9』のつく年がグレートヴィンテージになるとの伝説もあるとか。
2009年ヴィンテージを一言で表すなら・・・
「華やかで表情豊かな年」
この20年で記録的と言われるほど厳しい寒さで始まり、
春になると一転穏やかで乾燥した日が続き、ブドウの木も比較的早く発芽。
夏から秋にかけても天候に恵まれ、気温もブドウの熟成には最適な高さを
維持したまま収穫を迎えました。
テイスティングしてみると、アロマティックで活き活きとしており、表現力豊かな白ワイン、
しっかりとした果実味を支えるしなやかなタンニンを持つ、バランスの良い赤ワイン、
総じてそのような印象を持つ、まさに表情豊かな年であるということを実感します。
今飲んでも味わいの良さを感じ取れますが、グラン・クリュクラスは
熟成のポテンシャルもしっかりある超優良年です。
さてこの偉大なワイン達の飲み頃はいつになることやら・・・・