かなり希少なワインが入荷致しました。
カルフォルニア、ナパ・バレーの「コングスガード」
2005年のカベルネが6本と、
2006年のシャルドネ・ザ・ジャッジが3本。
同じく2007年のジャッジが1本。
さらに、ハーラン・エステートのメイデン、2000年が3本、2007年が7本。
写真には写っていませんが、
ハーランの1998年3本、2000年1本、2004年3本、2006年1本。
◇ コングスガード ◇
ジョン・コングスガード氏。彼は学生時代、音楽家を目指す少年でした。教授を目指してコロラド大学の音楽科に進学。
実家は牧場を営んでいました。まだワイナリーなどナパに十数軒しかなかった時代です。
ところが彼が大学を卒業して実家に帰った丁度その頃、ナパでは本格的なワインブームの到来を見せ始め、
たった4年でワイナリーの数は100を越えるまでになったのです。
これが運命の歯車というものでしょうか、ジョンは悩みました。
「家には広大な土地がある。ここでワイン造りをすれば、愛する土地で愛する家族と共に仕事ができる。しかしこれまでプロを目指して歩んできた音楽の道をあきらめてしまっていいものか…。」
迷った挙句、彼が出した答えはこうでした。カリフォルニア大学デイヴィス校への入学。
そう、彼はワイン造りの道を選んだのです!
カリフォルニアにおけるワイン醸造学・栽培学の総本山であるデイヴィス校を卒業した後は、かの 『ニュートン』 に就職。
実家で祖父が造る葡萄を持ち込み、シャルドネを担当します。
1988年には米国で初めてのアンフィルター・ワインを造るなどし、
コングスガード氏の腕によりニュートンは今や押しも押されぬスーパースターになりました。
ニュートンで十分な技術と知識を身につけた彼は、いよいよ1996年に自身のブランドとして 『コングスガード』 を発表。
ファーストビンテージにしていきなり【WS95点/RP92点】という鮮烈のデビューを飾ります。
突如表れたこのスター・ブランドに業界は騒然となったものでした。
あっというまにワインスペクテイター誌でも星の数ほどあるワイナリーの中からトップ25の五つ星ワイナリーに認定。
パーカー氏からもシャルドネの【★★★★★】生産者にチョイスされ、
アメリカン・ワイン・アワード2004の【Winemaker of the Year】にも輝き、
たちまち加州最上のシャルドネ・スターへと見事な躍進を遂げます。
現在では『マーカッシン』 『キスラー』 『オベール』 とともに、
加州シャルドネでたった4生産者しか存在しない【RP99点】シャルドネ排出元(2008.11現在)として知られ、
フラグシップの 『ザ・ジャッジ』は毎年たった15樽前後しか仕込まれぬことからまさに究極のシャルドネとして知られ、
これを捜し求めるファンは数知れず…。
そのほかにもヴィオニエ&ルーサンヌ、シラー、カベルネ(そして過去には丸秘メルローも…)などを手がけ、
いずれの作品をも高い次元での完成度を誇ります。
一般的に知られるコングスガードのラインナップは、シャルドネ/ジャッジ/シラーの3種で、
この3種としてもいずれも大変希少作となりますが、
そのほかにコングスガードには一般流通のあまり見られないさらなるマニアック・アイテムがあと3種存在し、
計6種でフルラインナップとなります。
うち後者の秘蔵品の1つがこちらの 『ナパ・カベ』 です。
シャルドネで鳴らすコングスガードのカベルネ!?と市場を沸かせた今作、あるあるとその存在が噂されながらもなかなか姿を見せず、
2005年に公式デヴューを飾ったようですが、どうやら非公式にてもっと以前から造られていたようです。
年産は公式ラインナップとして加わった現在でも≪400ケース~500ケース≫程度の希少作となっています。
▼ナパ・カベルネ(Napa Cabernet)
【RP100点】獲得生産者 『エイブリュー』 の 『マドローナ・ランチ』 の東丘に位置するコングスガードのカベルネ・ブロックは1000本の樹が植わり、
メドックからの4つのクローンが栽培されています。栽培コンサルタントはデヴィッド・エイブリュー氏。
タンニンとバランスの融合をキーとし、満足度十分な強さ・パワーを誇りながら、シルキーで輝ける美しき道中や余韻を絶対に手放しません。
毎年≪400ケース~500ケース≫程度。
■2005年:RP94点 ■2007年:RP94点 ■2008年:RP90-92点
▼ザ・ジャッジ(The Judge)
カリフォルニアが誇る至高のシャルドネにして、魔性の媚薬シャルドネ 『ザ・ジャッジ』。
毎年生産量は5~15樽程度で、パーカー氏は「DRCモンラッシェのカリフォルニア版」と表現しながら、
その実、スコアの観点では既にDRCモンラッシェより「格上」の事実を自らの著書にいくつも残してしまっていることを考えれば、
カリフォルニア産シャルドネで最も高尚な作品である…という氏のコメントも
「世界のシャルドネの中でも最も高尚。」の誤りではなかと感じてしまいます。
3年連続【RP98点】以上を獲得する、全米唯一、たったひとつのシャルドネ 『ザ・ジャッジ』 は、
26年間裁判官(Judge)として勤め上げたジョン・コングスガード氏の亡き父への敬意から命名されたもの。
果実はナパの街を東に向かうと間髪入れずにその姿を現す岩石質の丘にある自社畑 『コングスガード・ファミリー・ヴィンヤード』 から。
ジョン氏の祖父母が手に入れ、そして父から譲り受けた土地です。毎年1点「完璧」ただそれのみを追求し、収量は1エーカーあたり約1トン。
あのハーランの半分です…。さらに最も出来の良い区画のみを毎年決定し、そこからの果実を選ばれた数名の摘み人により丹念に手摘み。
それらの中でも良い状態の果実をさらに厳選し、コングスガード氏が自ら「黄金のフルーツ」と呼ぶ、
最上畑の最上区画の最上の葡萄のみがジャッジになることを許されます。
そのため1本の葡萄樹から取れる果汁はわずかたったボトル半分(約375ml)だけ。
まさしく “神の雫” を集めて産み落とされる至高のシャルドネです。
100%新樽のブルゴーニュ産フレンチ・オークにて土着酵母とともに発酵。約2年間の樽熟の後、無ろ過・無清澄にてボトル詰めされます。
■2004年:RP98点 ■2005年:RP98点 ■2006年:RP96-98点
先日、待望のパーカー監修ワインアドヴォケイト最新号#186が発刊となり、
今回特集された「北カリフォルニア」にて970本ものワインが新規レイティングとなりました。
中でも特集中No.1白ワインにあたる【RP98点+】を獲得したシャルドネこそが今作ジャッジの2007年でした。
これにてアドヴォケイト掲載の6ヴィンテージ中、5ヴィンテージがRP97点オーバー…。
キスラー/マーカッサン/オベール/ピーター・マイケルと共に加州5大シャルドネと呼ばれる事もあるジャッジですが、
此処の実力は頭一つ抜けてきたでしょうか…。
◆ ハーラン・エステート ◆
オーナーの“ウィリアム・ハーラン”――1940年生まれ――はカリフォルニア大バークレー校で 学んでいた1950年代後半、ナパをたびたび訪れ、広々と緑 がうねる牧歌的風景に魅せられ、その地でのワインづくりの思いが芽生えるようになりました。
しかし卒業後ワイン関係の仕事に就いたわけではなく、事業とし てはゴルフ場開発、 ホテル経営等を手掛ける不動産デヴェロッパーとして、
大きな成功をおさめました。
これを機に、以前から抱いていた、“世界でトップ・クラスのワインを自らの手でつくりあげる” という夢を実現するため、
その一歩を踏み出し、1980年代 半ばからぶどう畑用の土地の購入を始めました――現在ではおよそ100ヘクタールにまで 広がりました――。
それらはナパの中心地帯ともいうべきオークヴィ ルの西に位置する丘陵
――すそ野には有名なマーサズ・ヴィンヤードやト・カロンが あります――にあり、
そのなかの標高100~180メートル付近、約15 ヘクタールほどのかなりの傾斜地にぶどうは植えられています。
その3分の2が カベルネソーヴィニヨン、残りがメルロとカベルネフランそれにごく少量のプ ティヴェルドとなっています。
ぶどう栽培とワインづくりを担当しているのは“ロバート・レヴィ”です。
カリフォルニア大デイヴィス校を出た後いくつかのワイナリーを経て、1980年代 前半、ウィリアム・ハーランも出資していた『メリーヴェル』のワイン・メーカーとなりますが、
ハーランがメリーヴェルを売却する1998年まで、ハーラン とメリーヴェル、ふたつのワイン・メーカーを兼務していました。
同時にボルドーの有名な ワイン・コンサルタント、“ミシェル・ロラン”もハーランの最初期 から参画しています。
ほとんど黒に近い色調でパワー溢れる濃厚なワインでありながら、たいへん柔らかな タンニンが滑らかさを付与し、
しっかりした酸が凝縮感に富みながらも優雅 さを感じさせる。
これこそがハーランをハーランたらしめている点といえましょう。
それは畑での、ぶどうの成分の凝縮をねらっての徹底した収量の抑制、加え て糖分を上げるためだけではなく、
タンニンを熟させるための遅い収穫、 という2点からもたらされます。
収穫されたぶどうは除梗された後、多くの人手により 厳しい選果を経て発酵タンクにおくられますが、
そのタンクはステンレスとオークを併用しています。
当然ヴィンテージ毎に異なるとはいえ、高い温度で1ヵ月 以上におよぶ発酵というのが基本のスタイルです。
90年ヴィンテージが最初のリリースとなったハーランですが、発表と同時に一大センセーションを 巻き起こし、
その後もパーカーが94年と97年、そして01年、02年の4回、100点 満点を献上するなど、
瞬く間にカリフォルニア・ワインの最高峰に駆け上りました。
95年ヴィンテージからはセカンド・ラベルのメイデンの生産を開始、
97年にはワイナリーも完成――それまでのワインはメリーヴェルで醸造――しました。
また新たに99年ヴィンテージからは、ハーランとは別にボンドの 名のもと、
メルバリーとヴェシーナ――2001年ヴィンテージからはこれにセント・エデン という銘柄も加わります――、
2種の赤をリリースと、大きな躍進 を続けるハーランであります。
▼メイデン
はハーランのセカンド・ラベルにあたります。
ファースト・ヴィンテージは1995年です。
醸造責任者はハーランと同じボブ・レヴィ(Bob Levy)。 コンサルタントはミシェル・ロラン(Michael Roland)。
栽培管理者はメアリー・ホール(Mary Hall)/ジェリー・シュリンク(Jerry Schlink)。
自社畑38エーカーの栽培品種はカベルネ・ソーヴィニヨン(70%)、メルロ(20%)、カベルネ・フラン(8%)、プティ・ヴェルド(2%)
すべてヒルサイドに段々畑状に密集して植樹されており、土壌はフランシスカン頁岩という粉砕された岩石が表面を覆っています。
使用果実は全てハーラン・エステートと全く同じですが、品種構成がハーランと比べてカベルネ・フランの比率が高くなっています。
カベルネ・ソーヴィニヨンが2/3、残りがカベルネ・フランとメルロです。
ナパ・ヴァレーのラ・ミッション・オーブリオン、シュバル・ブランとロバート・パーカーは評しています。
ブドウの収穫は手摘みし、細心の注意を払って粒よりし、徐梗します。
(房ごとの選果ではなく、実ごとの選果です。)果皮をつけたまま発酵、
ステンレスタンクと小さいオークの垂直桶をくみあわせて長い醸し期間をとります。
メイデンは偉大さ、個性、力強さと優美さ、強烈なまでの複雑味、長熟性と、けして重たすぎることのない豊潤さを兼ね備えています。
初ヴィンテージは1995年ですが、わずか2ケースのリリースでした。
翌96年も2ケースのリリースでした。日本には2006年が初の輸入でしたが、2007年は収穫量が少なかった為、輸出はゼロでした。
▼ハーラン
ワイン通なら垂涎のカルトワインパーカーポイント100点を5回獲得
ハーラン・エステイトは世界の偉大なワインと匹敵するワインを生み出すことを目標に不動産業で一財を築いたビル・ハーラン氏が
1984年にオークヴィルに興された。ブドウ畑は、等高線にそった段々畑。
もっとも適正な場所にカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドが植えられている。
これらの品種からも分かる通りに、目指すは、ボルドー、メドックの頂点に君臨する5大シャトー。
ワインメーカーはボブ・レヴィ、コンサルタントはミッシェル・ローラン。
パーカーはハーランに1994年、97年、01年、02年、07年と5回100ポイントをつけた。
世界にあまたあるワインの最高峰といえるだろう。2009年に初めて日本に正式輸入されることになった。
ハーランは偉大なクラシック・ブレンドと評され、際立つ凝縮感、複雑さ、味わい深さと洗練されたタンニン、
エステートのユニークな特徴を存分に表した官能的な長い後味を持ちます。
自社畑38エーカーの栽培品種:カベルネ・ソーヴィニヨン(70%)、メルロ(20%)、カベルネ・フラン(8%)、プティ・ヴェルド(2%)
すべてヒルサイドに段々畑状に密集して植樹されており、土壌はフランシスカン頁岩という粉砕された岩石が表面を覆っている。
1/3が堆積土壌、2/3が火山性土壌。
ワイン醸造:ブドウの収穫は手摘みし、細心の注意を払って選果し、徐梗する。
果皮をつけたまま発酵、ステンレスタンクと小さいオークの垂直桶をくみあわせて長い醸し期間をとる。
ヴィンテージにより225Lサイズのバリックで発酵させるが、その際はパンピングオオーバーをせず、樽を転がすことで同じ効果をだしている。
二酸化炭素が抜ける蓋を使用している。
20から25ヶ月間、フランス中部産のミディアム・トーストのオーク新樽で熟成させる。
第二次発酵(マロラクティック発酵)は熟成中に樽で行う。余計な手を加えず、清澄、濾過せずに瓶詰めする。