SAM HARROP WINE サム・ハロップ・ワイン
設立/2008年 North Island/ Waiheke Island(ワイヘキ島)
オーナー・ワインメーカー/SAM HARROP
世界的なコンサルタントのサム・ハロップMWが、故国ニュージーランド北島のワイヘケ島で造るワインその名も「セダリオン」。 ハロップMWは2003年、最難関資格マスター・オブ・ワイン(MW)に当時では最年少の31歳でストレート合格。ロンドンで開かれるインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)ワイン審査部門の責任者を務める一方で、スペインのドミニオ・デ・フォンタナ、ワイヘケのテ・モトゥなどのコンサルタントを務める。英国のドリンクス・ビジネスが、2013年に最も影響力のあるワインコンサルタント10人の1人に選びました。また、近年では「Sake Samurai」として日本酒を世界に紹介する担い手としても活躍し、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)日本酒審査部門でも活躍する。 2013年1月に家族を連れてロンドンから帰国し母国ニュージーランドから新たなチャレンジを。生産本数は各2000本を切るマイクロ・キュヴェのワインを2013年に初ヴィンテージとしてリリース。畑のあるワイヘケはオークランドの東にある島、リゾート地としても人気がありニュージーランドで最も土地の価格も高いエリア。。
セダリオン シングルヴィンヤード・シャルドネ・アラエヴィンヤード・ワイヘキ
SINGLE VINEYARD CHARDONNAY Arae Vineyard Waiheke Island
<2014年ヴィンテージ>
シャルドネを生むアラエ・ヴィンヤードは南西の斜面に0.9ヘクタール。粘土と石灰岩の混じる理想的な土壌で海風が強いため、収量はヘクタール当たり26ヘクトリットルと押さえられている。18度の低温で、畑のブドウから培養した自然酵母で発酵。3月15日から27日の間で4度に分けて手摘みで収穫。収量の半分を全房にてバスケットプレスし残りは優しく圧搾。果汁はフレンチオークへ移され11度で3か月かけて醗酵させます。醗酵が終わりに近づくと樽の中を週に一度のペースでかき混ぜ、醗酵中に生じた澱を残したまま9か月の熟成期間を過ごします。熟成は300リットルの新樽35%、1年樽12%、228リットルの4年樽53%で行う。
セダリオン シングルヴィンヤード・シラー・ブロック31・イーストエンド・ワイヘキ
Single Vineyard Syrah “Block 31” Eastern End Waiheke Island
<2014年ヴィンテージ>
シラーはワイヘケ島東端の険しい段々畑で1ヘクタールからなるブロック31、シャーヴ・クローンとエルミタージュ・クローンを栽培。樹齢は14年。粘土主体の土壌が酸とタンニンの骨組みをもたらしている。シャーヴ52%、エルミタージュ48%の割合でブレンドする。ヘクタール当たり収量は40ヘクトリットル。「シャーヴは果皮が厚くて、房が大きい。スパイシーで、ペッパリー。フェノール、質感、複雑さに優れる。エルミタージュ・クローンはコート・ロティ寄りの畑で生まれた。フィネスがあり、エレガント。私の好みはエルミタージュ・クローン」と。4月7日から19日の間に3度に分けて手摘みによる収穫。全体の80%になる粒選りした葡萄を優しく圧搾、20%は全房で。4日間低温にて保管し、シャーヴ・クローンにはD254酵母、エルミタージュ・クローンにはクロといった異なる酵母を使用。26~28度で醗酵させ1日に2度の手作業による醸しからバランスの良いタンニンの抽出を促す。3種のバッチに分けられた果汁のうち2種マロラクティック醗酵を行う。果皮に漬した果汁は3週間20℃で醗酵。瓶詰めされるまで14か月樽熟成、また澱引きもしない。最終的なブレンドはャーヴ・クローンが52%とエルミタージュ・クローン48%になる。22.5%の新樽と3~5年の古樽を使用しバランスが保たれる。。
サム・ハロップ氏
イギリスを中心に活躍するニュージーランド出身(イギリス在住)のワイン・コンサルタントで34歳。
2003年に日本人はおろかアジア人にまだ一人も合格者のいない超難関のワインの資格、マスターオブワイン試験に最初の挑戦で合格。合格に際し、特に成績優秀だった者に贈られるTim Derouet賞を受賞している。
現在は世界各地でワインナリーのコンサルタントの他、ロワール地方全体のアドバイザーもつとめ、南仏に小さな有機農法のワイナリー(ドメーヌ・マタッサ)を共同経営している。
2006年より、世界最大規模のワインコンクール(インターナショナルワインチャレンジ、ロンドン大会)のCo-Chairmanの一人となった。今月(9月)よりCNBCビジネス・マンスリーのワイン関係のコラムも担当。
ハロップ氏は、ロンドンで日本酒の蔵元の日本酒講座に参加したのをきっかけに来日し、京都と静岡の蔵を訪問。日本と日本酒に大変好感を持って帰国した。そしてインターナショナルワインチャレンジのCo-Chairmanに就任当時から、同大会に本格的に日本酒部門をつくり、広く世界に日本酒を紹介する事を計画している。
シャルドネを生むアラエ・ヴィンヤードは0.9ヘクタール。粘土と石灰岩の混じる理想的な土壌。ニュージーランドでは、南島のマールボロ、ワイパラに同様の土壌があるという。海風が強いため、収量はヘクタール当たり26ヘクトリットルと低い。18度の低温で、畑のブドウから培養した自然酵母で発酵。2013は60%のみマロラクティック発酵をした。「PHが3.1と低いので、そもそもマロが起きにくい。乳酸菌のもたらす(バターのような)ジアセチルの香りは多すぎない方がいい。畑の立地を表現し、長期熟成するために、マロ100%は好まない」という。
熟成は300リットルの新樽35%、1年樽12%、228リットルの4年樽53%で行う。300リットルの樽は、ブルゴーニュでも熟成前酸化の防止とフレッシュ感を保つために導入する生産者が増えている。世界の潮流を知るMWらしい選択だ。
シラーはワイヘケ島東端の険しい段々畑でシャーヴ・クローンとエルミタージュ・クローンを栽培。樹齢は14年。粘土主体の土壌が酸とタンニンの骨組みをもたらしている。シャーヴ52%、エルミタージュ48%の割合でブレンドする。ヘクタール当たり収量は40ヘクトリットル。「シャーヴは果皮が厚くて、房が大きい。スパイシーで、ペッパリー。フェノール、質感、複雑さに優れる。エルミタージュ・クローンはコート・ロティ寄りの畑で生まれた。フィネスがあり、エレガント。私の好みはエルミタージュ・クローン」と。
セダリオンのワイン造りは利益を度外視している。妻がマーケティングを担当し、ハロップMWが栽培と醸造を1人で行う。コンサルタントで世界を飛び回るから、生産量はこれ以上増やせない。
「このワインは私の『シンパセティックワイン』の哲学の表現だ。妥協したくない。ヘクタール当たり2万5000NZドル(約203万円)の費用がかかるから、1本の原価は13NZドル(約1050円)。英国のBB&Rは2倍の値段をつけてもいいというが、求めやすい価格にしたい。私は倫理と誠実さを大切にしている」
英国の科学畑出身の評論家ジェイミー・グッドとの共著「オーセンティック・ワイン」でも知られるMWが採算度外視で、すべての知識を注ぎこんで造ったワイン。日本と英国のみに少量が輸出されている。