〓ボノー・デュ・マルトレイ〓
コルトン・シャルルマーニュの代名詞とも言われる、ボノー・デュ・マルトレイ。
モンラッシェと並び、世界最高峰の白ワインとして讃えられる、特級畑コルトン・シャルルマーニュを最も広く所有し、そこから生み出されるコルトン・シャルルマーニュの真価を追及した品格溢れる味わいは、コルトン・シャルルマーニュの最大かつ最高の造り手として、多くの尊敬を集めています。
ボノー・デュ・マルトレイが所有する畑の総面積は11ha。そのうちコルトン・シャルルマーニュが9ha、コルトンが2haと特級畑のみを手掛ける、コルトン・シャルルマーニュを語る上で絶対に外せない偉大な造り手なのです。ブルゴーニュの生産者の中でも、特級畑のみを所有するのは、このボノー・デュ・マルトレイと、D.R.C.だけであり、ボノー・デュ・マルトレイが一目置かれている所以です。
ボノー・デュ・マルトレイが所有する、コルトン・シャルルマーニュの一部の畑は、かつて中世の時代に、ヨーロッパ全土を治めた偉大な王、カール大帝が所有していた畑と言われています。
現在この畑には、樹齢40~60年のブドウが植えられています。(一部2007年に植え変えたブドウの樹もあります。)
西向きの急斜面に位置するこの畑は、粘土が全く含まれない石灰質土壌でできており、この土地で育ったブドウからは、凝縮したミネラルを持ったワインが造られます。また、この畑は、夕方遅くまで陽が当たり、日照時間に非常に恵まれているのも特徴です。長い日照時間を得ることで、光合成が有利に働き、光を十分に浴びてしっかりと育ったブドウは、ワインにフィネスや力強さをもたらします。
このカール大帝が所有していた類稀なるテロワールこそが、ボノー・デュ・マルトレイのワインのポテンシャルを高めているといっても過言ではありません。
ボノー・デュ・マルトレイの現当主はジャン・シャルル・ル・ボ-・ドゥ・ラ・モリ二エ-ル伯爵。毎週月~金曜日はワイナリーに常駐し、火曜日と金曜日には必ず熟成中の全ての樽のワインの糖度、酸度、温度をチェックするという徹底した情熱をもってワイン造りにあたっています。また、 研究熱心な伯爵は、より良いブドウを得るために2000年から有機農法、そして2004年からはビオディナミ農法をスタートし、2011年ヴィンテージからは100%ビオディナミを実践しています。
モリ二エール伯爵が大切にしていることは、畑の周りの環境を良好に保つこと。 土壌の開墾には、馬を用いるより土地にも人にも負担のかからない耕作として、特殊な小さなトラクターを使用しています。そして良いブドウを育てるためには畑や土壌だけではなく、あらゆる動物や昆虫、植物の健康を保ち、グローバルシステムを整備することが大切と考えています。実際に、ボノー・デュ・マルトレイの丘には樹木が生い茂り、様々な動物や昆虫による生態系が保たれており、コルトンの丘全体の環境を整えているそうです。そして樹木の根には十分な保水力があるゆえに、2003年のような乾燥した暑い年であっても、ブドウへの水分補給は十分だったといいます。
さらに、「樽の香りはワインそのものの味わいを覆い隠す」との考えから、新樽の比率は3分の1程度に留めています。 また、その新樽にも数年の研究の結果見つけた、品格がありエレガントな特徴のオーク材を使用しています。コルトン・シャルルマーニュに大切なのは「酸とミネラル」というのが、モリ二エール伯爵の信条であり、糖度より酸度を重視することで、長期の熟成にも耐えうるワインが造られます。 モリ二エール伯爵曰く、理想的な白ワインのイメージは、「Light Better than Heat(灼熱よりもそっと照らす明かり)」とのこと。派手さはなくとも、じっくりと向き合うことで開花し、忍耐力のある者のみが、その真価に触れることができると言われています。
このように一貫してテロワールや自然の力を尊重した結果、まるでテロワールそのものを味わうかのような、溢れんばかりのミネラルを備えた、引き締まったタイトなスタイルのコルトン・シャルルマーニュが生み出されるのです。
1本のブドウの樹から約5房を手摘みで収穫。ブドウは100%徐梗し、 さらに「ヴィンテージの善し悪しに関わらず年間180樽以上は造らない」という、モリ二エール伯爵の徹底主義が、ボノー・デュ・マルトレイのワインを芸術品とも言うべき最高の品質に高めています。
〓コルトン・シャルルマーニュ 2007年〓
コルトン・シャルルマーニュ最高の造り手と讃えられる、
グラン・クリュのみを所有する稀有なドメーヌ。
素晴らしいポテンシャルを秘めた、生き生きとしたミネラルを持つ1本。
ボノー・デュ・マルトレイは、所有する畑は全てグラン・クリュという稀有な造り手。
こんなドメーヌは、他にはドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティしかありません。
所有している11haの畑はコルトン・シャルルマーニュ9haとコルトン2haのみで、
特にコルトン・シャルルマーニュはその抜きん出た品質の高さで知られています。
9haの畑を所有しているコルトン・シャルルマーニュの一部は、
その名前の由来ともなったカール大帝が所有していた畑そのものです。
775年に、カール大帝から教会に寄進される以前からワイン造りが行われており、
カール大帝の美しい白髭が赤く染まることを嫌がったお妃が、
すべて白ブドウに植え替えさせたことから白ワイン造りが始まったと言う逸話もあるほどです。
グラン・クリュにしては珍しい、西向きの区画の畑から造られるコルトン・シャルルマーニュは、
ボノー・デュ・マルトレイの看板商品となっており、
まさに類稀なテロワールと、オーナーであるモリニエール伯爵の知恵と情熱の結晶です。
ブドウの平均樹齢は約47年。収穫作業は全て人の手によって行われます。
また、1株に6房以上にならないよう生産量をコントロールし、
ヴィンテージに関係なく180樽以上は造らないという徹底主義を貫いています。
2000年から有機農法、そして2004年からはビオディナミ農法をスタートし、
2011年ヴィンテージからは100%ビオディナミを実践しています。
最高のテロワール、そしてそれだけではないたゆまぬ努力と愛情が
史上最高ともいえるこのコルトン・シャルルマーニュを生み出すボノー・デュ・マルトレイ。
フランスの著名なワインガイド、『ル・クラスマン』では、
コント・ラフォン、ルフレーヴと並び、三つ星を獲得、
「非の打ち所が無く順調な歩みを見せている模範的なドメーヌ」と評価されています。
2007年のブルゴーニュ地方は、天候的に不安定な要素が多かったにも関わらず、
ブドウの選果を厳しくするなど、人の手による地道な努力と、
更には夏から秋にかけては天候に恵まれたおかげで、
結果的には非常に良いヴィンテージに仕上がりました。
輪郭がはっきりした深みのあるピュアな果実味。
クラシックなコルトン・シャルルマーニュらしい、
生き生きとしたミネラルが前面に出るスタイルです。
りんごの蜜に白桃、ライムやグレープフルーツのアロマ。
余韻には柑橘系のピールのようなほろ苦いニュアンスもあります。
未だエネルギッシュで生き生きとしており、高いポテンシャルを秘めたワインです。
飲み頃:~2019年
評価: ワインアドヴォケイト誌(パーカーポイント)にて94点を獲得
〓コルトン 2011年〓
ボノー・デュ・マルトレイと言えば白ワインが有名ですが、
実は赤ワインも高く評価されています。収量を白ブドウよりも抑え、
除梗や発酵前の低温浸漬を徹底することで、ピュアで凝縮感のある果実味、
しなやかなタンニンを抽出するなど、積極的に品質向上に努めています。
2011年は暑い春により開花時期が早まり、
夏に気温が上がらなかったため、収穫量は少なめでしたが、
果実の糖度は上がりすぎず、穏やかな酸が特徴の、
柔らかく親しみやすいヴィンテージとなりました。
2009年、2010年のビッグヴィンテージに及ばないまでも、
エレガントで豊かな味わいに仕上がっており、
多くの評論家が驚きを示したヴィンテージです。
熟したラズベリーやイチゴなどの凝縮感のある香りに、
スパイスや皮製品などの野性味あるニュアンス。
アタックは濃厚で、瑞々しい果実の香りが口中に広がる、
肉付きの良い味わいです。
余韻には、熟した果実に鉄分の芳香が残る、
エレガントで果実味豊かな仕上がりです。
コルトン・シャルルマーニュ以上にこだわった逸品。
白ワイン同様に素晴らしい出来のコルトンをぜひお試しください。
評価:ワインアドヴォケイト誌(パーカーポイント)にて91点を獲得