12月のお薦めシャンパーニュ

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Domaine Vilmart & Cie (94% Premier Cru Rilly La Montagne/ Montagne de Reims / RM )

樽を使ったシャンパーニュとしてRM No.1、フランスでは争奪戦の「レコルタンのクリュッグ」

ランスのすぐ南東に位置する一級格付けの村、リリーラ・モンターニュにおいて、1890年の創業以来、「テロワールの敬意」というファミリーの理念を守り続けるのが、このヴィルマール。1990年より若き当主、ローラン・ヴィルマールが伝統を継承する。同村と同村を取り巻く畑のベストパートのみを所有し、11haの畑から年間約7000ケースのみのシャンパーニュをリリースする。除草剤、化学薬品を一切使用しないビオロジックによる栽培と徹底した収量制限を施された葡萄そのもののポテンンャルは驚愕に値する。

ヴィルマールのシャンパーニュの品質を他のハウスから際立たせるのが「同家伝統の木樽発酵、樽熟成」。シャンパーニュ全土においてもクリュッグやジャック・セロスといった名立たる生産者のみが時に取り入れる手法である。ノンヴィンテージは全てフードル(50hl)で、ヴィンテージはバリック(225l)で熟成。

別格のワインだけが持ちうる気品と風格を纏う同家のシャンパーニュは、その卓越した樽使いから「レコルタンのクリュッグ」と絶賛されフランス国内の数多くの星付レストランがその少ない生産量を競ってオンリストする。

シャンパーニュ・プルミエ・クリュ・リリー・ラ・モンターニュ・グラン・セリエ・ドール 2008年

シャルドネ80%、ピノ・ノワール20%。バリック(225l)で10ヶ月間熟成。48~60ヶ月の瓶熟の後にリリースされる。ドサージュは8g~12g/l。MLFなし。

シャンパーニュ・プルミエ・クリュ・リリー・ラ・モンターニュ・クール・ド・キュヴェ

同家が誇るリリー・ラ・モンターニュのベストの区画から選りすぐられた樹齢50年以上のヴィエイユ・ヴィーニュのみを使用。新樽発酵、10ヶ月に及ぶ新樽熟成によって醸された、ヴィルマールを代表する逸品。ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。バリック(225l)で10ヶ月熟成。60~96ヶ月の瓶熟の後にリリースされる。ドサージュは8g~12g/l。MLFなし。

Domaine Egly Ouriet (100% Grand Cru /Ambonnay / Montagne de Reims / RM )

ビオロジックの手法と類稀なる新樽使いで、テロワールの体言を目指すシリアスな求道者、RMシャンパーニュを代表する造り手、エグリ・ウーリエ

ピノ・ノワールの聖地アンボネイ村に居を構えるエグリ・ウーリエは、アンボネィ7.8ha、ヴェルズネィ、ブジー、ヴリニーの畑を合計11.5ha所有する。1930年創業の無名ドメーヌが転換期を迎えたのは1990年、フランシス・エグリ氏が4代目当主に就任してからである。就任後すぐに、無農薬に近いアプローチへと栽培方法を変更。有機肥料を用いて手作業ですべての畑の手入れを行い、葡萄の成長の手助けをする。実にきめ細かく管理された畑から収穫された完熟した葡萄は、僅か3~4.5g/lのドザージュしか必要としない。

また、1996年より実験的に始めた新樽発酵は今やドメーヌを代表する醸造方法となった。ブルゴーニュの造り手、ドミニク・ローランから手ほどきを受けた樽使いは、正に「ワイン造り」を目指したもの。カーヴで試行錯誤を繰り返し、優れた特級村のみが持つミネラル、美しい酸、凝縮した果実味と厚みのあるボディがバランスしたシャンパーニュ、すなわち味わいの全ての要素が各々強さを持ちながらも主張しすぎることのないアンボネィのテロワールを最大限に引き出す自身のスタイルを見つけ出した。

「成功しても失敗しても必ずその原因を確かめる。私が醸すシャンパーニュは工業製品ではない。私の使命は、人生の数少ないチャンスの中で、いかにアンボネィのテロワールが鮮明に現れた一瓶を醸すかだ。」と、淡々と信念を語るフランシス氏は正にシャンパーニュの求道者である。

シャンパーニュ・グラン・クリュ・ブリュット 2003年

ウーリエの本拠地アンボネィ村を中心に、最高峰のピノ・ノワールが産出されることで有名な特級村ブジー、特級村ヴェルズネィの葡萄を用いた同家の代表作。60ヶ月以上に及ぶ瓶熟の後にリリースされる。