1385年にワインビジネスをスタートさせたアンティノリ。
サッシカイヤ一族とは血縁関係にあり、
当初はサッシカイヤのワインメイキングにも携わっていた歴史を持ちます。
1970年代に「ティニャネロ」「ソライア」といった世界的に有名なスーパータスカンを生みだし、
トスカーナワインの品質向上を牽引していきました。
現当主は、26代目となるピエロ・アンティノリ氏。
3人の娘たちと共に伝統を重んじ、革新し続けるワイナリーです。
アンティノリの魅力は何と言っても、イタリア各地に“その土地のスペシャリスト”
と言うべき個性を備えた、素晴らしいワイナリーを数多く所有していることです。
アンティノリはキャンティ・クラシコに
フラッグシップのワインを生みだすテヌータ・ティニャネロ、
キャンティ・クラシコのペポリ、
キャンティ・クラシコ・レゼルヴァのバディア・ア・パッシニャーノという
3つのエステートを所有しています 。
その中でテヌータ・ティニャネロ・エステートは、
ティニャネロ、ソライアの2つのスーパータスカンを造り生み出しているエステート。
特徴は世界でアンティノリだけが取り入れている、
「アルベレーゼ」という白い石を使用したサンジョヴェーゼの栽培方法にあります。
畑にもともとあった大きな白い石を砂利の大きさまで砕き、
ブドウの樹の列に地中20㎝程度から地表まで捲きます。
そうすることにより、この石は、
①ゆっくりと果実を熟成させる、②水分量を調整し水はけを良くする、という2つの働きをします。
サンジョヴェーゼは直射日光だけに照らされ急速に熟すと水っぽく、
酸味だけが際立ってしまいます。
石を利用することで地表からの反射光により、
ゆっくりとブドウを十分に熟させ、甘いタンニンを持った、
質の高いサンジョヴェーゼを収穫することができます。
これらは大変な手間とコストがかかり、
アンティノリでも、ティニャネロ・エステートのみこの方法を取り入れています。
フラッグシップのティニャネロは、イタリアワインで初めてサンジョヴェーゼの熟成に小樽を使用し、
白ブドウではない国際品種をブレンドしたワインとして知られています。
フレンチオークの新樽60%を使用。
ブレンド比率は1982年以来変わっておらず、
サンジョヴェーゼの魅力を最大限に引き出す絶妙のブレンド比率。
しかも良年のみ生産される逸品です!
グラスに注ぐと、ブラックベリーやプラム、ラズベリーなどの赤黒系果実の香りと
スパイスや甘草、スミレの花のようなフローラルで複雑なアロマに満たされます。
口に含むと、豊かなタンニンが口の中いっぱいに広がり、非常に心地の良い印象。
サンジョヴェーゼ特有の酸も強めに感じますが、果実味が豊かなため味わいは引き締まり
全体的によくバランスがとれています。
もう少し寝かせるか、是非デキャンティングして飲んで頂きたいワインです。
サンジョヴェーゼがカベルネ・ソーヴィニヨンとの相性が良いことを証明する一本。
スーパータスカンの味わいをこの機会にぜひご堪能下さい。
ブドウ品種:サンジョヴェーゼ 80%、カベルネ・ソーヴィニヨン 15%、カベルネ・フラン 5%
評価:ワインアドヴォケイト誌(パーカーポイント)にて94点を獲得