当店の秘蔵コレクションの紹介です。
まずは店主のお気に入りの造り手、南オーストラリアのトルブレック。
そのフラッグシップがこの幻の【ライアード】です。
何とリリースはまだ3ビンテージだけなのに、
パーカーポイントは2005年100点,2006年99点、2008年100点。
当店には3ビンテージともまだ3本ずつはございますので、興味のある方は是非。
<ザ・レアードが出来るまで ディヴィット・パウエルより>
時折、人生やワインにおいて、自分自身を表現し、真に際立つものを創造する、めったにない機会に巡り合う事があります。これらの貴重な機会に巡り合えたら、それをとらえ、育み、発展させる事が大切で、そうしてその潜在性が開花します。私はバロッサ・ヴァレーの最も有名な畑で働く機会が与えられ、経験して得たすべての力をつぎ込んで、真に輝く卓越したワインを造ることを決心しました。<畑について>
世界の素晴らしいワインすべてにおいて言えることは、そのブドウが息をのむほど素晴らしい畑のテロワールに深く根を埋めているということです。そしてザ・レアードも例外ではありません。伝説のマルコム・セペルトが所有している畑で、ザ・レアードのブドウはグナデンフレイという畑のものです。この畑はバロッサ・ヴァレーのセペルトフィールドとマラナンガ東側の2つのアペラシオンにまたがり、穏やかな南向きの丘の中腹部に位置します。「セペルト」というファミリー・ネームを持つほどマルコムは、彼の所有する古樹と同じくらい深くこの地域に根ざしています。1958年に植樹された5エーカーのシラーズで、土壌はとてもずっしりとした暗い粘土・ローム質に赤い粉末状の粘土質が覆っています。畑は細心の注意を払って作業が行われ、灌漑はしておらず、マルコム自身の足跡が辺り一面に残っています。この畑はすべてにおいて完璧です。南東向きで、完全に水はけが良く、典型的なバロッサ西部の土壌とバロッサの原型クローンの1つであるブドウに経験が豊富な栽培者によって仕事が行われています。 さらに、この畑には「未知の要因、Xファクター」が存在します。特別な味わいをもたらすその理由は誰も完璧に説明をすることができません。そういった事から、この場所で常に造られる小さく濃縮したブドウはこのヴァレーで働く、すべてのワイン生産者の羨望の的なのです。<樽について>
このワインの熟成のために選ばれた木樽は、世界で最も素晴らしい樽の1つと言われるドミニック・ローランの「マジック・キャスクス」です。ドミニック・ローランは素晴らしい人格と、生まれながらに本当に卓越したワイン生産者です。彼はフランスの販売中心主義や大規模の樽生産者の方法に不満をもっており、彼自身で樽を作る事を決めました。樽生産を始める際、彼はすべてにおいて抜かりなく、風がよく吹き、雨も多いラ・フォレ・ドゥ・シトーの丘の端を選びました。彼の選んだ樽職人は伝統的な方法で、職人的な樽生産に誇りをもっています。木はアリエのトロンセの森から直接採取したもので、更に厳密に言えば、この森でも最高の樽を生産する事で知られる初期の森の中心部からとっています。木の幹は手作業で割られ、板も手で割ります。こうしてできた木板は伝統的に機械で割った木板よりも約2倍の強さになります。そして通常よりもさらに日当たりの良く風通しの良い場所で48-54カ月熟成させます。熟成後に手作業で板から樽に作り上げられます。この過程で、木樽は3つの異なる焙り方で数時間にわたって焼かれます。これも通常よりもかなり長い時間をかけて行われます。これは、強く火を入れるためではなく、木の密度が驚くほど高い事から必要になってくるのです。<ワイン醸造>
マルコム・セペルトの畑は手摘みで、2区画に分けられ、ヴィンテージによって数日間かけて収穫が行われます。すぐにワイナリーに運ばれ、ブドウは丁寧に除梗され、木樽とコンクリートの開放式発酵槽に入れられます。そして優しく6-7日間スキンコンタクトを行い、その間ポンピング・オーバーを毎日2回行い、その長さや濃度を調節します。第一次発酵がほぼ終了した際に、ワインは皮から抜かれ、丁寧にマストのバスケット・プレスを8時間かけて行います。ワインは第一次発酵が完了するまで、ステンレスタンクで保存します。そして直接ドミニック・ローランのフランス産の樽に入れられ、温度管理された古来の石でできた倉庫で36カ月熟成させます。木樽とワインが完璧に融合すると、ワインは清澄やろ過をせず瓶詰めされます。■テクニカル情報■
品種:100%シラーズ 畑:グナデンフレイ・ヴィンヤード 1958年植樹 小区画:マラナンガ 瓶詰め:2008年2月15日
アルコール:14.8% 生産量:400ケース
スコットランドの言葉で「ザ・レアード」とは領主という意味です。ディヴィット・パウエルがマルコム個人の為にこの畑のブドウでワイン醸造を始めたのは2003年です。その間、デイヴィットは毎年最高のブドウをもたらすこの畑の偉大さを、身を持って実感じるようになりました。そして切望し続けたこの畑のブドウを2005年より購入することができ、ザ・レアードが誕生しました。★パーカーポイント100点 ワイン・アドヴォケート192号 2010年12月
ザ・レアードはパウエルの新しいベイビーで、マラナンガの小区画、2ヘクタールのシラーズの単一畑のもの。1960年代に植樹され、最近契約をした畑である。このワインはラン・リグととても違う個性をもっている。この最初のヴィンテージで最も際立つ点は、力強さとエレガントな気品の組み合わせで、バロッサのとても良いヴィンテージを表現している。3年間ドミニク・ローランの「マジック・キャスクス」(フランス、トロンセの樽で、シラーズの長期熟成のために、より厚い板を使用)で熟成させている。2005ザ・レアードは深みのあるガーネット色で、力強い香りで、風味の良いスパイスの特徴が果実の香りの表面から感じられる。塊の肉、北京ダック、肥沃なローム、下草、樹皮、アニス、クミン・シード、メントール、ドライ・ローズ、ラベンダーのアロマが温かいブラック・チェリーや砕いたブラック・ベリー、フルーツ・ケーキの特徴に重なるように溢れる。締まったフルボディの味わいはとても繊細で、シルト土壌のように細やかなタンニンと快活な酸が、濃縮した果実と食欲をそそる風味の中に表れる。そしてとても長いフィニッシュには土やスパイスが広がる。アルコールは14.8%で、バロッサの最も大柄なワインの1つでは決してなく、間違いなく最高のワインの1つである。今でも確かに美味しいが、4-5年瓶の中で熟成をさせ、さらに柔らかく調和した味わいを楽しむ事をお勧めする。2030年以上まで飲み頃。
彼は畑に関して、極めて知識が豊富で、情熱をかけており、それはおそらくワイナリーでの作業以上である。彼はブドウ栽培家と親密な関係を築いており、畑の管理においては決闘も辞さないようだ。パウエルは、栽培家が彼の指示に従う事を拒否したため、古樹の素晴らしい畑との契約を今年で終わりにしたと最近教えてくれた。パウエルはローズワーシー・カレッジや他のワイン関係機関で教育を受けていない。様々な事で、これは彼に功績を与えているようで、彼は行う事すべてを合理的に考え、一味違ったワインの造り方をしている。彼の赤ワインの構造は特に際立っていると思う。タンニンの管理、質の良い抽出、タンニンの質感にわたって個別のアプローチをとり、それらはブドウの皮から純粋にくるもので、ブドウは丹念に育てられ、熟成した時に短期間で収穫される。こうして本当にシンボルのような赤ワインが造られる。そして低価格のものでも、とても美しく熟成をする。最後に、パウエルは彼の高い基準に満たないワインは発売していない。彼は成功にうぬぼれているが、間違いに関しても正直に認める。2008年はトルブレックにとってとても困難な年だった。2008ラン・リグとレ・ザミは生産されていない。2007レ・ザミも生産されたが発売されていない。「2007レ・ザミは今まで生産した中で最も肥大だった。」と彼は認めた。2009年は調子を取り戻したようだ。「2009年は素晴らしいヴィンテージで、このヴァレーで27年間働いた中で最も良い年だった。特にグルナッシュが素晴らしく、シラーズも良い。それと比べると、2008年は奮闘した。」 |
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