ダーレンベルグ/d’Arenberg
『ダーレンベルグ』は「ローヌ品種の第一人者」 「ローヌの帝王」とも言われ、シラーズ、グルナッシュ、ムールヴェードル、ヴィオニエ、マーサン(マルサンヌ)などフランス・ローヌ地方の代表品種に情熱を傾ける家族経営のワイナリーです。
初代“ジョゼフ・オズボーン氏”が、1912年に手入れの行き届いた「ミルトン・ヴィンヤード」を購入したのがダーレンベルグの始まりで、現在では世界的各国から注目され、名誉ある賞いくつも受賞している最も注目株のワイナリーです。
ラベルに赤いストライプが目を引くダーレン ベルグ・ワインが大きく注目を集め出したのは1960年代。カベルネ・ソーヴィニヨン‘68年がジ ミー・ワトソン・トロフィーを獲得すると共に、グルナッシュ・ベースの赤が7つのトロフィーと29個の金賞を獲得してからです。
現在のチーフ・ワインメーカーでもある“チェスター・オズボーン氏”は1962年生まれ、オズボーン家の4代目です。1995年からチーフ・ワインメーカーになり、70年前に建てられた古いセラーの改修、ブドウ畑の整備、ボトリング・ラインの改良など、生産管理を積極的に進めました。
彼は、ローヌ品種を単にローヌワインのように造ろうとはせず「幅広い人に親しみやすいワイン」 「エネルギッシュで斬新なワイン」「力強くてオリジナリティ豊なワイン」を目指しています。
古い伝統と新しい可能性をあわせ持ったダーレンベルグは、今やヨーロッパはもとよりアメリカでも高い評価を得ており、ワインメーカーのチェスター・オズボーンは、「ワインステート」誌により1998年の“ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー”に選出されるほど世界的にも認められています。
果実の肉厚さを上手に生かしたシラーズ、グルナッシュ、ムールヴェドルや、華やかな果実味と豊かな酸味がバランス良くスマートに仕上げられた白ワインは、ダーレンベルグの特徴的スタイルといえます。ブドウの病気の一種にちなんで名付けられた「デッドアーム・シラーズ」は、世界的プレミアム・シラーズのひとつにも数えられています。ダーレンベルグの口あたりの良さと、質に比べての価格のお手頃感は、相変わらず際立っています。
ダーレンベルグのある、マクラレン・ヴェイルはアデレードの南約40km、西はセント・ヴィンセント湾(8km)、東は南ロフティ山地(15km)に挟まれた標高75~100mのフルーリュ半島に位置しており、ブドウやオリーブの畑の広がる温暖で穏やかな地域。
コレだけのラインナップのダーレンベルグ。しかしそのワインラベルにはある法則が…。
■ダーレンベルグのこだわり!バスケットプレス。
オーストラリアのワインビジネス界には「一代目と二代目がビジネスモデルの基礎を作り、三代目が成功を維持し、四代目で大きく落ち込む」という格言があるそうですが、この『ダーレンベルグ』ではその格言はあてはまらないみたいです。
『ダーレンベルグ』の四代目は落ち込むどころか、更なる飛躍を成し遂げてた人物で「1998年ワインステート・オーストラリア・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」、「2004年ロンドン・インターナショナル・ワインチャレンジ・レン・エヴァンス・トロフィー」を獲得した”チェスター・オズボーン”氏です。
『ダーレンベルグ』はほとんどのワインの醸造に1860年製と1940年製の古い木製バスケット・プレス機を使用しており、これがここの醸造の最も大きな特徴のひとつとなっています。
しかもワイナリーには、このバスケットを模したステンレス製の物があり、しかもこのバスケット、チェスター自身がステンレス材を切り出して溶接した手造りの品。しかも2台!
バスケット・プレスでの搾汁は手間隙がかかるがゆっくりと搾ることができ、果肉がフィルターの役割を果たしたクリーンな果汁が搾れます。その為タンクで静置し大きな澱を沈殿させる手間が省けると言います。
『ダーレンベルグ』のワインは白も赤もリッチでコクがあるのみ頑強なとげとげしさがない。それは、このバスケット・プレスによるところが大きいそうです。
最近は生産量の拡大とともにプレス機が不足。新しい物を発注することも考えられましたが、ステンレス製なら壊れにくく手入れも簡単という事で、ステンレス製のバスケットプレスを作ったそうです。
使用されている古い木製バスケットプレス彼のバスケット・プレスのこだわりはコレだけにとどまらず、白ワイン用のプレスには更なる工夫が。
バスケット・プレスでは搾った果汁が空気に触れある程度酸化が進みます。これが独特の深みを与えていますが、果実味は減少してしまいます。そこでコレを防ぐ為にと考えたのが、大きなビニール袋でプレス機を覆い、ドライアイスで冷却、そこから出る炭酸ガスにより酸化を防ごうと言うもの。通常なら密閉されている物を使用する所ですが、彼はあくまでバスケット・プレスにこだわるんだそうです。
ちなみに、こんなこだわりのバスケット・プレスを使用したワインには、ラベルにバスケット・プレス・マークが印刷されています。
■ワインラベルに縦に細長な物と正方形に近い2つのタイプで見分ける
ダーレンベルグのワインラベルで赤いストライプの入ったものには大きく分けて2つの形状があります。『長細形』『正方形』。
『長細形』のものは熟成の木樽が100%小樽(バリック)での熟成。
『正方形』のものは50%小樽、50%大樽での熟成
■ワインラベルのストライプのある物とない物
ダーレンベルグの目印とも言える赤い斜めのストライプ。実はコレが付いてる物と付いてない物があります。この付いている物はダーレンベルグのあるマクラーレン・ヴェイル産のブドウを使用したものでない物については他の地区のブドウがブレンドされています。
フラッグシップの『デッド・アーム』他、ダーレンベルグが手がけるワインは、異なる畑を個別に醸造、ブレンドしていますが、それぞれの魅力的な畑の個性を。テロワールとして表現すると面白いはずだ!として100周年を迎える年に記念リリースしたのがこの『ダーレンベルグ アメイジング・サイト・ヴィンヤード』
100周年を記念したシングルヴィンヤード・シリーズ。ダーレンベルグは色んな区画や地域をブドウを組み合わせて様々なワインをリリースしていますが、単一畑としてのワインは今まで一度も無し。全てブレンドを行なってきましたが、今回100周年を迎えて改めてマクラーレンヴェイルの地域性やキャラクターなどを知ってもらおうと企画されたもの。
「デッド・アーム・シラーズは異なる畑のブドウを個別に醸造して、ブレンドするが、単一畑のワインを瓶詰めしたら面白いというアイデアがわいた」 今回のシリーズのブドウは本来”デッド・アーム”や”アイアンストーン”に使われるブドウ。それらを全て同じ条件で単一畑ワインとして作りました。
リリースされたのは
単一畑のシラーズ100%が12種類
単一畑のグルナッシュ100%が3種類
それぞれ品種では異なりますが、バスケットプレスの使用、樽の使い方、足踏みでの圧搾などワイン作りの製法はまったく同じ。ヴィンテージは2010年。純粋に産地の違いのみを知ってもらうとしています。 これらのシラーズ、若い畑のもので樹齢15年、一番古いもので100年超えたものなど、購入した時期も様々。
例外なくワインの名前はチェスターが付けたので長いです。
さらに、ちょっと通訳するべきか?みたいな変な意味を持つワインもあります。
フルーツの要素が強いのもあれば、酸が際立ったもの、ミネラル感があるものやタンニンが強いもの。そう簡単に土壌や畑の位置とは結びつかないですが、明らかにその場所の個性が出てるんでしょう。